食の安全性に関心が高まるなか、最近よく聞くようになったのが「マイクロプラスチック」という言葉。海水や海産物だけでなく、食塩からも検出されるケースがあると報じられ、多くの消費者に不安が広がっています。中でも人気の高い「ゲランドの塩」にも「マイクロプラスチックは含まれているの？」という声が上がるようになってきました。自然製法でつくられるフランス産の伝統的な塩であるゲランドの塩は、環境にやさしく健康的というイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。この記事では、ゲランドの塩とマイクロプラスチックの関係について、調査研究や消費者の見解をもとに掘り下げていきます。
ゲランドの塩にマイクロプラスチックは含まれているのか？製法と環境から考える可能性
そもそもマイクロプラスチックとは何か？
まずは前提として「マイクロプラスチック」とは何かを簡単に整理しておきましょう。マイクロプラスチックとは、直径5mm以下の非常に小さなプラスチック粒子のことで、環境中で分解されずに残り続け、海洋や大気中に広く拡散しています。
衣類や洗顔料、ペットボトルの劣化、タイヤの摩耗など、さまざまな生活用品から発生し、最終的には海に流れ込み、海洋生物に取り込まれたり、私たちの食生活にも影響を及ぼす可能性があるとして問題視されています。
自然塩であるゲランドの塩は海水からできている
ゲランドの塩は、フランス・ブルターニュ地方の塩田で採取される完全自然製法の海塩です。海水を塩田に引き込み、太陽と風の力でゆっくりと結晶化させたもので、添加物や化学処理は一切加えられていません。
そのため、非常に「ナチュラル」なイメージがありますが、同時に「自然の海水をそのまま使っている＝マイクロプラスチックも含まれている可能性があるのでは？」という疑問も出てきます。
実際に海塩からマイクロプラスチックが検出された事例もある
近年、国際的な研究機関や大学によって、世界各国の海塩（シーソルト）を対象とした調査が行われており、その中では90%以上の海塩からマイクロプラスチックが検出されたという研究報告もあります。
特にアジア圏の製品からは高濃度の粒子が見つかったケースもあり、プラスチックごみが大量に流入する地域ではリスクが高まっていることが分かっています。
このことから、「海塩＝安全」という単純な図式は成り立たなくなってきています。
ゲランドの塩が採れる海域の環境は比較的クリーン
とはいえ、すべての海塩に等しくマイクロプラスチックが含まれているわけではありません。重要なのは、どこの海域から海水が採取されているかという点です。
ゲランドの塩が採れるブルターニュ地方の沿岸部は、保護された自然環境区域として知られており、工業地帯や都市部から離れた場所に位置しています。また、潮流が激しく水の循環も活発で、汚染物質が蓄積しづらいという地理的特徴もあります。
このため、他の地域に比べてマイクロプラスチックの混入リスクは相対的に低いと考えられています。
ゲランドの塩は洗浄・ろ過されていない？それでも安全なのか
製造過程において、ゲランドの塩は機械的な洗浄や精製を行わず、そのまま結晶を乾燥させる工程で出荷されます。つまり、ミネラルなどの有益成分を残すと同時に、不純物も除去されにくい製法です。
このことが「不衛生」「汚れているのでは」と誤解されることもありますが、ゲランドの塩はEUの食品安全基準を満たしており、異物混入や重金属などに対する検査も行われています。
ただし、マイクロプラスチックに関しては現時点で明確に除去する工程が存在するわけではないため、「完全にゼロ」と断言することはできません。
どれくらいの量を摂取しているのか？健康リスクはある？
仮に海塩にごく微量のマイクロプラスチックが含まれていたとして、それが健康にどの程度の影響を及ぼすのかは、現在のところ明確な結論は出ていません。
ある研究では、平均的な海塩の摂取量から換算しても、年間に摂取するマイクロプラスチックは数百個〜数千個レベルであり、それが人体に蓄積・悪影響を及ぼすかどうかは不明とされています。
一方で、完全に無視できる問題ではなく、食品全体からの摂取量（魚介類・飲料水など）と合わせてトータルでのリスク評価が今後求められるでしょう。
消費者としてできる対策とは？
現状では、どんなに高品質な自然塩でも、マイクロプラスチックの「完全ゼロ」を保証することは難しいというのが実情です。その上で、以下のような点を意識することで、リスクを軽減する選択ができます。
- 汚染の少ない海域から採取された塩を選ぶ（例：ゲランド、モンサラット島など）
- 過剰な塩分摂取を避ける（摂取量が減れば、仮に含まれていても影響は減る）
- バランスの取れた食生活でデトックス機能を高める（食物繊維・水分・発酵食品）
- 海塩ではなく岩塩などの別ルートの塩を併用して分散させる方法もある
まとめ
「ゲランドの塩 マイクロプラスチック」という検索ワードには、自然塩の安心感と、海洋汚染への不安のあいだで揺れる消費者心理が表れています。
実際には、ゲランドの塩が採取される地域は環境的にきれいで、製法にも信頼がおけることから、他の海塩と比べても混入リスクは低いと考えられます。ただし、現時点ではどんな塩にも微量のマイクロプラスチックが含まれている可能性は否定できず、摂取量を意識することが重要です。
自然の恵みを大切にしつつ、情報と選択のバランスを持つこと。それが、今の私たちに求められている“賢い食の向き合い方”ではないでしょうか。
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