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海の精にマイクロプラスチックは含まれるのか|海塩全体の構造と実務的なリスク低減術

「海の精のマイクロプラスチックについて本当のところを知りたい」と感じたとき、まず気になるのは“ブランド固有の問題なのか、それとも海塩全体の構造的な話なのか”という見極めです。

海塩は原料が海水である以上、環境中の微粒子と無縁ではいられませんが、実際の混入量や健康影響の大きさは、研究データと製法の両面から丁寧に読む必要があります。

本稿では公式情報で確認できる範囲、国内論文の知見、家庭でできる現実的な対策までを整理し、感情論ではなく“運用可能な結論”に着地させます。

海の精にマイクロプラスチックは含まれるのかを事実で確認する

最初に、ブランド個別の開示と日本国内の研究結果という二つの情報源を切り分けて把握しましょう。

ブランド側は安全性の開示テーマ(たとえば放射能検査の継続など)を公開しており、一方で国内の学術論文は「日本の食塩にどの程度マイクロプラスチック(MP)が含まれるか」を測定しています。

この二本立てで読むと、海の精に限らず“海塩というカテゴリの現実”と“日々の使い方で下げられるリスク”が見えてきます。

結論を先に整理

公開情報を総合すると、海の精の公式サイトにはマイクロプラスチック個別の検査値やゼロ宣言は明記されていません(放射能検査の継続は明示あり)。一方、国内の研究では日本各地の海由来の食塩から、20μm以上のマイクロプラスチック(主にPPやPE)が検出されたことが報告されています。ここから言えるのは「特定ブランドの瑕疵」というより「海水起源の塩に広く起こり得る現象」という位置づけです。ただし国内の別研究では、食塩からの年間暴露量は他の経路と比べて桁違いに小さいという結果も示されています。まずは“ゼロ/危険”といった二極化ではなく、公開エビデンスと使い方の最適化で現実的に管理するのが合理的です。

公開情報を確認

海の精の「商品の安全性」ページでは、東日本大震災以降も続ける放射能検査の方針と結果が最新版まで整理されています。一方で、同サイトの商品ページは原料が「伊豆大島の海水100%」、製法が「立体塩田で濃縮し平釜で結晶」という点を詳述しており、工程思想は読み取れます。つまり“何を測っているか(放射能)”“どう作っているか(濃縮と結晶)”は確認できるが、マイクロプラスチックの専用項目は少なくとも現時点の公開ページからは読み取れない、というのが事実関係です。疑問点は問い合わせで補完しつつ、次節の研究結果と突き合わせて実務の判断に落としましょう。

  • 安全性ページ:放射能検査の継続・不検出を掲示(更新日も明記)。
  • 商品ページ:海水100%・伝統製法(立体塩田+平釜/天日)を説明。
  • MP専用の検査値/基準:サイト上では記載を確認できず(2025年11月時点)。

研究結果の要点

国内論文は「日本の海域で製造された複数の国産食塩」を対象に、顕微FT-IRで20μm以上のMPを同定しています。特定ブランドを名指しする研究ではありませんが、サンプルには「伊豆大島産」と表現された塩も含まれ、PP/PEを中心に複数種のMPが検出されています。サイズ分布は数十〜数百μmで、形状は粒子状が多いという結果でした。以下の表で観点をまとめます。

観点概要
対象国内の異なる海域由来の国産食塩(沖縄・伊豆大島・徳島)
検出下限20μm以上(顕微FT-IR)
検出種PP・PEが全サンプルで確認、他に複数種
サイズ・形状約29〜459μm、粒子状が主体

研究の射程は「市販海塩にMPが存在し得る」という一般論であり、ブランド固有の良否判定ではありません。

暴露リスクの目安

暴露評価の文脈では、国内の別研究が日本の市販食塩における平均MP濃度を「約1.3個/kg」、日本人が食塩から1年間に摂取する平均個数を「約4.7個」と推計しています。さらに、室内ダストや呼吸、魚介類など他経路からの摂取と比べると、食塩由来は3〜6桁も小さい“微小寄与”とされました。つまり、海塩の選び方や使用量の最適化は大切ですが、リスク全体の中では優先順位が高すぎない点も冷静に押さえておきましょう。

指標食塩由来の推計補足
濃度約1.3個/kg国内市販塩の平均
年間摂取数約4.7個/人他経路より桁違いに小
相対比較室内ダスト・呼吸・魚介 ≫ 食塩3〜6桁の差

誤解をほどく

「海塩=危険」「精製塩=絶対安全」という単純化は役に立ちません。海塩は環境由来の不確実性がある一方で、味や料理適性の面で選ばれる価値がありますし、精製塩は工程由来でMP寄与が低い一方、味の設計や用途が異なります。重要なのは“ゼロ幻想”に陥らず、開示情報と使用量・組み合わせの最適化で現実的にリスクを下げる視点です。家庭での対策は後述します。

選び方と日常対策でリスクを現実的に下げる

研究が示すのは「海塩にMPが検出され得る」という一般論であり、私たちができるのは“選び方”と“組み合わせ”の最適化です。

塩そのものの切り替えだけでなく、室内環境や調理器具、飲食の組み合わせを整えると、総摂取量のボトルネックを効率よく外せます。

以下の三つのアプローチ(塩の選定、家庭の工夫、配慮が必要な場面)を順番に回しましょう。

塩の選定基準を持つ

料理全体の満足度を下げない範囲で、塩の種類ごとの特性を理解しておくと迷いが減ります。味や使い勝手、MP寄与の目安を俯瞰して、家の“定番”を決めておきましょう(数種類を使い分けるのも現実的)。

塩のタイプ味・特性MP寄与の傾向使い分けのヒント
海塩(例:海の精)ミネラルを含み味が複層的環境由来のばらつきはあり得る仕上げ・漬物・炊飯など“味を生かす”用途に
精製塩(イオン交換膜法)塩化Na主体でクリアな塩味工程上MP寄与は相対的に低い下味・茹で塩など“溶けて目立たない”用途に
岩塩産地で風味差、粒が硬め海水起源ではないため別系統肉の焼き上げなどで質感を楽しむ

「用途別の使い分け」が最も腹落ちしやすい対策です。

家庭でできる工夫

食塩からの相対寄与は小さいとはいえ、合理的に下げられる手は打っておきましょう。塩の切り替えだけに頼らず、保管や調理器具、室内環境まで含めて“合計の摂取機会”を減らすのがコツです。

  • 保管容器はガラス/金属を基準にし、樹脂容器の傷んだフタは交換する。
  • 卓上ミルやスプーンの摩耗粉が混じらないよう、劣化した樹脂パーツは更新。
  • 室内ダスト対策として、キッチン周りの集塵(換気・拭き取り)を習慣化。
  • 料理の塩は「下味は精製塩、仕上げは海塩」などの併用で使用総量を平準化。
  • 小児・妊娠中は“香りの強い粉物と同時多用”を避け、薄味運用に寄せる。

できることから一つずつで十分です。

配慮が必要な場面

体調が揺らぐ時期や小さな子どもがいる食卓では、味の満足度を保ちつつ情報の不確実性を運用で吸収しましょう。具体的には、味の柱を出汁や酸味で立て、塩味の過不足を小刻みに調整するやり方が実務的です。海塩は風味の厚みが魅力なので、仕上げに少量を活かすと“使う量は控えめでも満足感は高い”という状態を作りやすくなります。

製法とろ過の理解を深めて、過度に不安にならない

製法の理解は、公開情報の読み方を安定させる助けになります。海の精は「立体塩田で濃縮→平釜で結晶」という工程を公表しており、これは“海水100%の味を残す”思想です。ろ過や沈降などの工程は各社のノウハウ領域で詳細開示が限られることも多く、だからこそ“できる範囲で質問する”“自宅では合理的に運用する”の二段構えが要点になります。

製法の基礎を押さえる

海塩づくりは、海水の濃縮(塩田)と結晶化(天日または平釜)が骨格です。海の精が説明する“立体塩田+平釜”は、日本の気候に合わせて太陽・風・火を組み合わせる伝統的なやり方で、ミネラルをほどよく残した味づくりに向きます。工程はシンプルに見えても、実際にはろ過段数や温度・時間の管理など多くの管理点があり、ここが各社の品質差につながります。

ろ過の限界を理解する

一般に、ろ過は“ある粒径以上を効率よく除く”一方で、検出手法や粒子の形状次第で取り残しが生じ得ます。顕微FT-IRで見られる20μm以上の粒子と、より微小な粒子では、必要なろ過条件や同定の難しさが変わるため、公開情報だけで“完全ゼロ”を断言するのは科学的ではありません。以下は理解のための目安表です。

対象代表サイズ備考
顕微FT-IRで同定しやすいMP約20μm以上研究の検出下限に依存
粒子状MPの一部数十〜数百μm国内海塩の検出例あり
より微小な粒子<20μm検出も除去も難易度が上がる

“限界を知った上で運用でならす”が現実解です。

問い合わせのコツ

どうしても確証が欲しい場合は、販売元に具体的に質問しましょう。抽象的に「大丈夫ですか?」ではなく、工程や検査の粒度を指定すると回答が得やすくなります。

  • 聞きたい観点を限定(例:ろ過段数やフィルター目安、外部検査の有無)。
  • 対象商品名とロット(袋の印字)を添える。
  • 用途(乳幼児の離乳食等)や懸念(粉じん経路の重複)を明記。
  • 代替提案も可否を確認(ソルトの種類の使い分けなど)。

やり取りは記録を残し、家の基準に反映させると迷いが減ります。

調理と栄養のバランスで“使い方の最適点”を探す

味・栄養・安心感の三者はトレードオフになりがちです。海塩の旨みを生かしつつ、量は控えめにして全体の満足度を落とさないコツを持っておくと、無理なく続きます。

“塩の種類の併用”“仕上げ使い”“別の暴露源を減らす”の三本柱で考えると、最短で安定します。

次の三視点を参考に、家の“運用ルール”を決めましょう。

味の設計を工夫する

旨みや酸味、香りを合わせて“塩の量を増やさず満足度を上げる”のが料理設計の基本です。出汁や柑橘、発酵調味料を使い、海塩は仕上げに少量を振って存在感を出す。下味や茹でには精製塩を用いて総量管理をし、仕上げで海塩の個性を楽しむ。こうした役割分担は、味と安心感の両立に有効です。

他の暴露源を下げる

国内の評価では、食塩からのMP寄与は他経路よりも小さいのが実情です。そこで“優先的に効く”のは室内ダストや使い捨てプラ接触の削減です。キッチンの拭き取り、空調フィルターの整備、樹脂器具の劣化管理は、料理全体の安心感に直結します。参考までに相対感を表で整理します。

経路寄与の目安ひと工夫
室内ダスト・呼吸高(桁違い)清掃と換気、布巾の微粉対策
魚介類中〜高多様なたんぱく源でローテーション
食塩用途で塩を使い分け、総量管理

“食塩だけに注目し過ぎない”ことが実務的です。

ストックと保存の基本

塩は長持ちしますが、容器や環境の影響は受けます。ガラス瓶や金属フタ容器で湿気と摩耗粉の混入を避け、チャック袋は定期的に交換。卓上の小瓶は詰め替えすぎず回転を早くし、劣化した樹脂スプーンは更新しましょう。こうした細部の運用が、安心感の土台になります。

よくある疑問に答える

最後に、検索でよく見かける疑問をコンパクトに整理します。根拠と運用をセットで押さえれば、過度に振れない判断ができます。

“ゼロかどうか”ではなく、“合理的に下げられているか”という視点に立ち返るのがコツです。

ゼロにできる?

科学的・実務的には“常に完全ゼロ”を保証するのは困難です。検出法の下限や形状の多様性、工程変動があるため、良心的なメーカーほど安易な断定を避けます。だからこそ、公開情報で安全性の考え方を確認し、用途と量、器具や室内環境まで含めて合理的に下げるのが最適解です。国内研究の暴露推計でも、食塩の寄与は相対的に小さいと示されています。

洗って使うのは有効?

塩を水で洗う・溶かすといった家庭操作で微粒子だけを選択的に取り除くことは現実的ではありません。溶解・再結晶は家庭では再現性が低く、風味や含有ミネラルのバランスも崩れます。むしろ“塩の使い分け”“仕上げ少量使い”“容器と室内のメンテ”が費用対効果に優れます。

子どもや妊娠中はどうする?

まず塩分量を基準にして薄味運用へ。塩の種類は用途で使い分け、卓上の仕上げは海塩を少量、下味や茹でには精製塩で管理。器具と室内のダスト対策を優先し、限定調味料や粉ものを重ねすぎない。体調に応じて量と頻度を調整する――このセットで、味と安心を同時に守れます。

海の精とマイクロプラスチックに関する要点を一括で掴む

まとめると、公式公開情報では海の精は放射能検査の継続など安全性方針を明示しつつ、MP専用の数値開示は確認できません。一方、国内研究は“日本の海塩には20μm以上のMPが検出され得るが、食塩からの年間暴露は相対的に小さい”と示します。したがって実務の解は、塩の用途別使い分けと仕上げ少量使い、器具・室内のメンテで総暴露をならすこと。味の満足度は保ちながら、合理的に安心感を高める運用に切り替えましょう。

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